11月28日にインドネシア・バリ島で開催された「第6回国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形遺産委員会」において、韓国が登録申請していた6件のうち「テッキョン」「綱渡り」「韓山苧麻(ハンサンモシ=からむし)」の3件がユネスコの人類無形遺産に登録された。
「テッキョン」と「綱渡り」は予備審査の段階ですでに「登録勧告」の決定を受けていたので人類無形遺産への登録は有力だったが、「韓山苧麻織り」は「情報補完勧告」を受けていたため登録が危ぶまれたが、「生きている遺産」としての価値が認められ今回の「驚きの登録」となった。
「韓山苧麻織り」は、忠清南道舒川郡(チュンチョンナム道ソチョン郡)の韓山地域で、女性を中心に受け継がれてきた。母親、娘、嫁が一緒に行う家内作業であるが、村人たちが定められた区域で作業することで、村の共同体としての結束を固める社会的・文化的機能も果たしてきた。今回の審査でも、その点が高く評価された。
また、「テッキョン」は、世界の伝統武芸のなかで初めて人類無形遺産に登録された。
今回の登録により、韓国は、2001年の「宗廟祭礼と宗廟祭礼楽」(王室の祭礼儀式と儀式音楽)、2003年の「パンソリ」、2009年の「カンガンスルレ」のほか、昨年の「歌曲」(韓国の伝統音楽)、「大木匠」(伝統木造建築の最高責任者)、「鷹狩り」(鷹を訓練させ野生の動物を捕る)の登録を合わせ、合計14件の人類無形遺産を保有することになった。
一方、同日、ユネスコ・アジア太平洋無形遺産センターの国際会議及び創立記念式が開催された。ソウル市弘恩(ホンウン)洞のグランドヒルトンホテルで行われた創立記念式には、ユネスコのイリーナ・ボコバ事務局長をはじめ、アジア太平洋地域のユネスコ事務所と国家委員会の代表、国内外の無形遺産の専門家300人余りが出席した。
大田(テジョン)に本部を置くアジア太平洋無形遺産センターは、ユネスコ無形遺産の国際協力専門機関であり、情報やネットワーク機能を中心に、アジア太平洋地域の48加盟国を対象に、文化遺産の広報活動やユネスコ無形遺産リストへの登録などを支援する事業を行っている。