一風変わった映画や奇抜な映画など多彩な映画を提供する「富川国際ファンタスティック映画祭(Puchon
International Fantastic Film Festival, PiFan)」が7月13日、開幕する。
10回目となる今回の映画祭で、2年間にわたる問題を解決することができるであろうか?
PiFanの新しいディレクター(執行委員長)イ・ジャンホ氏は6月20日のソウルでの記者会見で「我々は、映画祭を正常化するため、できることはすべてやった。国内の映画関係者との関係が改善することを望む」と語った。
1年に一度の映画祭は、その範囲も規模も徐々に拡大してきている。また2004年以降、映画ファンや国内映画産業関係者から高い評価を得ている。
問題の発端は、PiFanの組織委員会が、イベントのプログラマーや他のスタッフの強い反対にもかかわらず、映画祭の前のディレクター、キム・ホンジュン氏を2004年に解雇したことである。これに対する報復として、前のスタッフらはキム氏とともに昨年、「リアルファンタスティック映画祭(The
Real Fantastic Film Festival)」と称する独自の映画祭をソウルでPiFanと同じタイミングで開催したが、これは富川映画祭に抗議する彼らの象徴的な意思表示であった。
「オールドボーイ(Old Boy)」の朴贊郁(パク・チャンウク)監督、「グエムル―漢江(ハンガン)の怪物―(Host)」の奉俊昊(ポン・ジュノ)監督、「オールドボーイ(Old Boy)」の俳優、崔岷植(チェ・ミンシク)、「宮廷女官チャングムの誓い(Jewel
In the Palace)」の女優、李英愛(イ・ヨンエ)、薛景求(ソル・ギョング)などを含む国内映画産業の関係者も映画祭をボイコットした。昨年の映画祭は数本の国内映画しか上映することができなかった。
組織委員会は映画祭を正常化するため、PiFanの最初のディレクターであった映画製作者のイ氏を呼び戻し、映画産業関係者との彼の個人的な関係を頼りに関係の改善を図った。
映画祭組織委員会委員長を務める富川市長は今年初め、キム氏の解任について非公式に謝罪し、また組織委員会は、映画祭運営の独立性を保証するため理事会を解体し、映画祭の組織に関する方針を変更した。
しかし、映画産業関係者らはまだ懐疑的である。彼らは6月30日に発表した公式声明で、市政府が映画祭の独立性を脅かさないか注視していると述べている。
「10回目を迎える映画祭がどのように運営されるか、すぐにわかる。その結果を見て、我々は行動をとる。彼らは映画祭を正常化しようと努力しているが、市政府が映画祭の独立性を損なう可能性はまだ残っている」
映画関係者との関係正常化とは別に、映画祭はより豊富なプログラムと興味のあるイベントで人気回復を目指している。
映画祭では、35カ国からの251本の映画を、富川市庁や富川市民会館、富川CGV複合映画館など様々な場所で10日間にわたり上映する。
映画祭は、「ロッキー・ホラー・ショー(Rocky Horror Picture Show)」に似た韓国映画「三差路劇場(The
Ghost Theater)」で幕を開け、香港映画「伊莎貝拉(Isabella)」で幕を下ろす。
チョン・ゲス監督の「三差路劇場(The Ghost Theater)」はファンタジーミュージカル映画で、現実的な世界と非現実的な世界を旅する幽霊を中心に物語が展開する。彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の「伊莎貝拉(Isabella)」は、マカオが1999年に中国に返還された時のマカオの人々の繊細な感情を父と娘の目を通して表現したものである。
そのほか興味のあるプログラムとしては、政府の検閲によって多くの部分をカットしなければならなかった4本の韓国映画を集めて、それらのオリジナル版を上映する“Korean
Director’s Cut”がある。これには“The March of Fools”(1975)、“Children
of Darkness Part 1, Young-ae the Songstress”(1981)、“Kuro
Arirang”(1989)が含まれる。
10回目を迎える映画祭を祝うその他の特別イベントには、“The Lord of the Rings”シリーズや“King
Kong”“The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch & the Wardrobe”などの大ヒット映画で有名なニュージーランドに本拠を置く特殊効果スタジオであるウェタ・ワークショップ(Weta
Workshop)社のリチャード・テーラー(Richard Tailor)氏によるワークショッププログラムが含まれる。